会長挨拶

会長 渡辺 真一


 私立幼稚園経営者懇談会(略称・幼経懇)は平成8年6月17日に発会。今年度設立12年目に入りました。
当時はエンゼルプランに代表されるように、社会全体で子育て支援を行おうという気運が高まりはじめた時期でした。
この社会の動きにどのような対応をしたらよいか、私幼界にとっては当時、喫急の課題でした。 そんな折、児童手当の拠出や育児休業制度の実施をはじめ、いろいろな面で経済界も子育てに大きなかかわりをもつようになり、政治や行政に対して発言力を もっていることを知りました。そうした経済界と連携・協力しながら、幼児教育や子育て支援を共に考えることは意義深いものがあるとの理由から、有志が個人 の資格で当時の日経連に加盟し、今日に至りました。 以来、幼経懇は日本経団連や自由民主党、文部科学省や厚生労働省などへ意見書や要望書を提出する機会を数多く持ち、一定の成果をあげることができました。
また幼経懇では発会以来、研究活動に力を入れ、各種研究を実施してきました。

本部活動としては、セミナー委員会が中心となり、総会時の記念講演、冬季セミナー、緊急勉強会、海外セミナーなどを実施。異業種交流がメイントップセミ ナー、社会福祉懇談会との合同セミナー更には昨年10月「2006 国際セミナー」を開催と活発な活動を展開してまいりました。一方、地区活動も地区開催 のセミナーや勉強会などを中心に地区にふさわしい研究・研修活動に取り組み、地区会員の大きな力となっています。 教育研究と私学経営の学びは車の両輪です。この両輪のバランスが保てる私学であり幼稚園でありたいと願うのが幼経懇の進むべき方向です。

幼経懇では上記の活動のほかに幼経懇ニュースの発行とホームページの充実(メディア委員会)、最新の各種情報や資料の速報、伝達や緊急課題や政策要望への 対応(ビジョン委員会・事務局)、更には喫急な課題に取り組むプロジェクト委員会(現在/評価プロジェクト委員会、食育プロジェクト委員会)があり、小回 りの効く活動を繰り広げているところがであります。 ところでこの4月から「認定・子ども園」が本格的にスタートします。今年度は全国で600~1000余の新しい認定・子ども園、子ども支援等に取り組むようです。
これにより子育ての環境はますます多様化しそうです。幼保の垣根はより低くなるのではと考えます。
その他にあって幼経懇の役割と幼児教育の存在意義が厳しく問われる時代に突入したことも改めてこの概念を認識すべきでしょう。 幼稚園界を取り巻く状況はますます厳しさを増しますが、次代の社会を担う子どもの健やかな育ちの応援団となれる幼稚園でありたいと念じます。そのためにも 会員一人一人が問題意識や課題意識をもち、その解決方法を見出す努力をしてほしいと思います。幼経懇や経団連、地方経協など十分に活用してほしいと願って います。 最後になりますが幼経懇ガイド改訂4版の発行にあたり、総務委員会の先生方のご努力に感謝を申し上げ、私の挨拶とします。
そして最後にもう一言、“過去を振り返ることなく、未来に生きる子どもたちのためにがんばりましょう!”そして、子育て支援は子どもが育つ支援であり、親が育つための支援であることをここに願います。